買主さんの力が強いと立派な応接を貸してくれるものです。
昨日は、戸建て住宅の売買決済がありました。
売主さんは自宅を貸家としていた単発大家さんで、買主は大手建売業者さんです。
決済の30分前に売主さんに来てもらい、ちょっと珍しい場面を見せてもらいました。
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実はこの単発大家さん(70代ご夫婦)は、今回売却する物件の権利証をお持ちではありません。
自分、今まで何度か権利証を紛失した売主さんの対応をした事があるのですが、司法書士の先生か公証人さんに売主本人の身元を確認してもらう感じです。
大体は決済に来てくれる司法書士先生に頼んで対応してもらうのですが、先生によってやり方が微妙に違う感じです。
今回の権利証紛失の身元確認と決済を行う司法書士先生は実に丁寧に売主さんに聞き取り調査をしていました。
売主さんが到着する前に司法書士先生に売主さんの耳が遠い事を伝えました。
クマ 「先生、今回のご主人(売主)さんは耳が凄く遠いので小さい声だと質問の内容が理解できなくて変な回答してくるかも知れません」
先生 「そうなんですか、じゃぁ大きな声でやりますね」
クマ 「決して認知症とかじゃないので、よろしくお願い致します」
実は、このご主人さん、以前明け渡し訴訟をした際に裁判官の声が小さくて何を言っているかわからなくて判断能力があるのか疑問に思われてしまった事がありました。
お話しが上手では無く耳が遠い人の場合は、判断能力に問題があると誤解されないように「耳が遠いです」と宣言しておかないといけません。
ここで売主さんご夫婦が到着。
先生 「決済に先立って権利証紛失に伴う本人さんの身元確認をしますけど、初対面なので本人か確認するのは簡単ではありませんから、いろいろ質問させて頂きます」
奥様 「よろしくお願いします」
先生 「権利証は再発行が出来ない仕組みなので、今回の取引で確かに〇〇さん(売主)が不動産の所有者であることを私が保証して、私個人の印鑑証明まで提出して法務局に申請するので大変慎重な話なんです」
奥様 「お願い致します」
ご本人さんの生い立ち、ご家族の名前、不動産を売却する理由などを時系列で聞いて行きます。
先生 「この土地を購入した際はどんな経緯だったのですか?」
ご主人 「私が買ったのでは無く、親が買いました」
先生 「え? おかしいですね、謄本みると昭和の時代にご主人さんが売買で購入された事になってます」
ご主人 「いや、自分が買ったのでは無いですよ」
謄本を辿って行くと、正しい権利のやり取りがわかるものなのですが、親子や親戚関係で取引していた場合にプラスして元農地の売買予約の仕組み等々、昭和の時代の出来事は当事者の認識と異なるドラマがあるものです。
そんな感じで70年前からの物語を聞き出していくうちに、聞かれた事に単語で答える程度だったご主人さんが多くを語りだしました。
当時の親戚関係の説明、お子さんが生まれてからの生活、戸建てに滞納者が入って苦労したこと、その後も一度は賃貸での貸し出しを決めてリフォームしたが、やっぱり売却して老後資金の足しにしたいと決断したこと・・・
先生 「良くわかりました、ここまでジックリ話せるのは本人さん以外にいませんので、私が法務局に書類を書いて保証します」
ご主人 「はい、お願いします」
ここで、買主さん登場。
見事に30分で本人確認完了で、その後1時間で無事に決済も完了しました。
ご主人 「ほんとお世話になりました。 手間かけてスミマセンでしたがありがとうございました」
クマ 「いえ、こちらこそ滞納とか裁判とか大変な思いをさせてしまいまして・・・」
奥様 「ありがとうございます。 これで一区切りつきましたよ」
クマ 「まだ、滞納者の保証人さんから3月まで入金がありますので、しばらくは管理会社としてお付き合いが続きますので」
こちらは来年の3月まで滞納金の支払いを管理している状態です。
律儀な保証人さんなので心配していませんが、滞納者本人が反省して保証人さんにお金を返す日が来ることを祈ります。
ではまた明日
昨日は、戸建て住宅の売買決済がありました。
売主さんは自宅を貸家としていた単発大家さんで、買主は大手建売業者さんです。
決済の30分前に売主さんに来てもらい、ちょっと珍しい場面を見せてもらいました。
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実はこの単発大家さん(70代ご夫婦)は、今回売却する物件の権利証をお持ちではありません。
自分、今まで何度か権利証を紛失した売主さんの対応をした事があるのですが、司法書士の先生か公証人さんに売主本人の身元を確認してもらう感じです。
大体は決済に来てくれる司法書士先生に頼んで対応してもらうのですが、先生によってやり方が微妙に違う感じです。
今回の権利証紛失の身元確認と決済を行う司法書士先生は実に丁寧に売主さんに聞き取り調査をしていました。
売主さんが到着する前に司法書士先生に売主さんの耳が遠い事を伝えました。
クマ 「先生、今回のご主人(売主)さんは耳が凄く遠いので小さい声だと質問の内容が理解できなくて変な回答してくるかも知れません」
先生 「そうなんですか、じゃぁ大きな声でやりますね」
クマ 「決して認知症とかじゃないので、よろしくお願い致します」
実は、このご主人さん、以前明け渡し訴訟をした際に裁判官の声が小さくて何を言っているかわからなくて判断能力があるのか疑問に思われてしまった事がありました。
お話しが上手では無く耳が遠い人の場合は、判断能力に問題があると誤解されないように「耳が遠いです」と宣言しておかないといけません。
ここで売主さんご夫婦が到着。
先生 「決済に先立って権利証紛失に伴う本人さんの身元確認をしますけど、初対面なので本人か確認するのは簡単ではありませんから、いろいろ質問させて頂きます」
奥様 「よろしくお願いします」
先生 「権利証は再発行が出来ない仕組みなので、今回の取引で確かに〇〇さん(売主)が不動産の所有者であることを私が保証して、私個人の印鑑証明まで提出して法務局に申請するので大変慎重な話なんです」
奥様 「お願い致します」
ご本人さんの生い立ち、ご家族の名前、不動産を売却する理由などを時系列で聞いて行きます。
先生 「この土地を購入した際はどんな経緯だったのですか?」
ご主人 「私が買ったのでは無く、親が買いました」
先生 「え? おかしいですね、謄本みると昭和の時代にご主人さんが売買で購入された事になってます」
ご主人 「いや、自分が買ったのでは無いですよ」
謄本を辿って行くと、正しい権利のやり取りがわかるものなのですが、親子や親戚関係で取引していた場合にプラスして元農地の売買予約の仕組み等々、昭和の時代の出来事は当事者の認識と異なるドラマがあるものです。
そんな感じで70年前からの物語を聞き出していくうちに、聞かれた事に単語で答える程度だったご主人さんが多くを語りだしました。
当時の親戚関係の説明、お子さんが生まれてからの生活、戸建てに滞納者が入って苦労したこと、その後も一度は賃貸での貸し出しを決めてリフォームしたが、やっぱり売却して老後資金の足しにしたいと決断したこと・・・
先生 「良くわかりました、ここまでジックリ話せるのは本人さん以外にいませんので、私が法務局に書類を書いて保証します」
ご主人 「はい、お願いします」
ここで、買主さん登場。
見事に30分で本人確認完了で、その後1時間で無事に決済も完了しました。
ご主人 「ほんとお世話になりました。 手間かけてスミマセンでしたがありがとうございました」
クマ 「いえ、こちらこそ滞納とか裁判とか大変な思いをさせてしまいまして・・・」
奥様 「ありがとうございます。 これで一区切りつきましたよ」
クマ 「まだ、滞納者の保証人さんから3月まで入金がありますので、しばらくは管理会社としてお付き合いが続きますので」
こちらは来年の3月まで滞納金の支払いを管理している状態です。
律儀な保証人さんなので心配していませんが、滞納者本人が反省して保証人さんにお金を返す日が来ることを祈ります。
ではまた明日