きのうは年末のご挨拶で大家さん回りをしていました。


地主系の大家さんが9割以上で年配の方が多く、勤めている訳でもないので日曜日とか連休とか全然関係ありません。


そんな中で一番話しが長かった大家さんは、ここ数年で不動産を処分しまくったAさん(70代後半)。


まぁその処分に全部関わっていたのですが、Aさんとの付き合いは10年以上になります。


当時貸家の斡旋委任を受けて、ご自宅に行った際に箱に入った新品のパソコンを見て「いいパソコン買いましたねぇ」と言ったら「買ったんだけどセッティングできないから放置している」とのことでセッティングしてあげたのが始まりです。

その後、何度か訪問してパソコンの操作方法を教えたりいろいろ出入りしてたら2006年にアパート1棟買ってくださいました。


そんな感じで長い付き合いなのですが、Aさんは地主でもありますが、農家ではなく元サラリーマンで、40代の頃に不動産投資を始めて当時赴任先だった神奈川県で貸家とアパートを、実家近くでも貸家とアパートを経営されていました。


そして、2年前から神奈川の物件を処分したり、地元の貸家を処分して今では2006年に買ってもらったアパートだけが収益物件として残っています。


簡単に言うと、息子さんに「ボロ不動産を残しちゃ悪い」との思いから売却した訳なのですが、現金化が完了して税金を払い終わった頃に持っている田んぼが工業団地の買収にかかって更に高額な現金が増えてしまいました。


売却代金の20%ほどの税金を用意してありますが、二束三文だった土地が化けた感じでお金が寄ってきているような状態です。


税理士さん交えていろいろアドバイスしているのですが、「もう不動産は持たない」と宣言されています。


Aさんにはお子さんが一人だけいるのですが、唯一の相続人となる息子さんから現在Aさんが一人暮らししているご自宅について「オヤジが死んだら売り払う」と言われてしまい怒っちゃってます。


Aさん  「ほんと先祖代々の土地と屋敷を何だと思っているんだか・・・」


クマ  「息子さん今の職場から遠いいし都会に住みたいんでしょうね」


Aさん  「息子が嫁をもらって子供ができてたら広いこの家に住んでくれると思っていたんだけどね」


息子さんは40代前半で独身です。

Aさん宅は土地が畑部分もいれると500坪、建物が60坪あります。

5年前くらいにリフォームしてあるのですが、早くに奥様を亡くした後、20年前に息子さんが家を出てからはずっとAさんが一人暮らししてます。


Aさん  「クマさん、本気のお願いなんだけど息子は奥手なので嫁探しを手伝ってくれないだろうか」


クマ  「え〜 不動産探しなら手伝いますけど嫁探しは息子さんが頑張らないと無理ですよ」


Aさん  「息子は出会いが無くて彼女なんてできたこと無いから・・・  何とかして欲しいんですよ」


Aさんは、去年ある病気を発病して今は安定していますが、ご本人さんとしてはあと数年も生きられないと思うと言ってます。


そんな状況なので軽い気持ちではなく、心からのお願いなんだと思います。



でも、当然ながら嫁探しは専門外なので困っちゃった訳です。



が・・・



写真 1 (5)最近持ち歩いているiPadminiで「結婚相談」と検索してみました。

驚くほどたくさんの情報が出てきます。

その中で最大手っぽいところのホームページを開くと親切に動画でシステムを説明してくれました。








毎月1万円ちょっと払うと条件にあった女性を1ヶ月に6人紹介してくれるそうです。



Aさん  「お〜 毎月1万ちょっとなんて安いもんだよ、女性の身元は確かなんだろうね?」


クマ  「う〜ん 大手の会社が運営しているけど、自分にはわからないですよ」


Aさん  「だよねぇ まぁ何もしないよりはいいよ」


クマ  「身元が確かでも相性とかありますからね」


と、いろいろ話していたらこの会社のホームページに「お悩みの親御様へ」と書いてあるページがありました。


クマ  「なんかこのページ親御さん向けに電話相談できるって書いてありますよ」


Aさん  「さっそく明日にでも電話してみるよ」


と、言うことでAさんは積極的なのですが・・・



なんだか、Aさんとは相続税や贈与税の件でiPadを活用していたのですが、一番トキメイてくれたのは婚活系の話でした。


ちょっと変な方向に行ってますが、税金払っても残せるお金が十分あるので、心配事の第一優先が息子さんの嫁探しなんだそうです。


そう言えばAさん、少し前に「滞納してるんだから解体屋差し向けて建物壊すよ」と、滞納者が住んでいる建物を本気で壊そうとしていた事がありましたが今度は「先祖代々の土地を売るな」と遺言書に書くそうです。


所有権が息子さんに移っちゃったら息子さんの自由ですと軽く言ってみましたが、どうもご先祖様からの強い念が自分にも届いているようで、迫力負けです。



この話、これから大きな物語の一つとなることは間違いないでしょう。



さて今日は管理課S君に同行して、年末で集中している退去後のリフォーム確認とか入居前準備に行ってきます。


外作業は寒いですが、作業服の方がスーツより温かいですね


ではまた