きのうは、テナントさんが退去するにあたっての原状回復について打ち合わせしてきました。

BlogPaint借主さんは約15年前から10坪程度の店舗部分と、その2階の居室部分、隣の建物(店舗)の2階にある居室部分を借りてくれています。

いわゆる住付き店舗です。







ご家族で15年もパン屋さんを営業されていたのですが、疲れちゃったとの事で、今後は商売を辞めてしまうそうです。


近所でも評判のパン屋さんで、閉店を残念がるお得意さんから感謝の花が多数届けれれていました。


BlogPaint自家製のパンを製造して販売されていたので、本格的な大型のパン焼き器だとか発酵させる機械、冷蔵庫、厨房部分等の設備の他、保健所の指導で取り付けた壁があり、初期のスケルトン状態からかなり改造されてます。







この物件、大家さんの自主管理で15年前に客付けを当社がしたとの事で解約立会の依頼がありました。

なんか、その当時の様子を知る社員が自分くらいしかいないのですが、貸出時の図面とか写真が残って無いのです・・・

当時の契約担当も辞めちゃって連絡も取れないし、大家さんからは「元に戻してくれればいい」と単純に言われているので出たとこ勝負で現地に行ってきました。

実際の解約立会日は、住居部分の引越が完了する今月末となるのですが、昨日は店舗部分の各種機械や什器の引取・撤去の見積もりと、解体工事の打ち合わせで、店舗専門のリフォーム屋さんと自分で話し合いをしました。


BlogPaintこの業者さん、例えば「元々新品で無い壁や天井を全て借主が新品にするのはいかがなものでしょうか?」等言ってきます。

ただのリフォーム屋さんだと思っていたらかなり交渉テクニックに精通している様子です。





最近は入居者側からの依頼で管理会社と折衝してくる立会屋さんがいるそうで、自分も興味あるのですが、ある意味正論の部分と、こちらも大家さんから依頼されている手前、貸主借主利益が相反する部分について交渉しなければならない部分があります。


業者  「この壁を撤去するとブレーカーの移動と天井の解体が必要になりますけど天井は当時現況で貸されていたんですよね?」

クマ  「そうですよ、解体して壊れる部分は直して頂きます」

業者 
 「ここだけの為に全部の天井を新品にするのはいかがなものでしょう?」

なんか、一休さんのトンチ合戦みたく持ち込んでも平行線になるだけです。

クマ  「貸主借主の関係まで心配頂かなくても全面復旧の見積もりを出して頂ければこちらで貸主と協議しますよ」

業者 
 「そうですか・・・ 私もいろいろとトラブル事例を見てきたのでハッキリさせないと後ほど困ることになるんじゃないかと思ってますので」

クマ  
「いくら掛かるかわからなければ大家さんだって答えられませんからね、リフォームの見積もりだけ出して頂ければ結構ですよ」


採寸の手早さと建築知識から見て相当なやり手の業者さんとお見受けしましたが、契約関係に立ち入られると何か言いたくなります。

リフォームに徹して頂きたいところですが、依頼主のためにアドバイスまでしてくれる立派な業者さんなのでしょう。

結局、1時間以上やり取りして見積もりが出てから再協議することになりました。

何となく変な気分になりましたが、会社に戻ってから大家さんに電話で状況報告しました。

実はこの大家さん、自主管理なのですが、すごく心配性で3年位前まで頻繁に自分の携帯に電話がきました。

その後、管理課S君の方がマメに対応してくれるのでS君が専属アドバイザーを引き継いでくれてます。

古くは2005年の記事にも登場している長い付き合いの大家さんです。

クマ  「リフォーム業者さんが来ていろいろありましたよ」

大家  
「そう、こちらとしては元に戻してくれればいいんだよ」

クマ  
「中にある機械とか壁とか外の看板撤去して終わりにしたいところですよね」

大家  
「まぁ新築で貸した訳じゃないから多少はしょうがないけど、あそこの店舗シャッターが壊れたとか風呂が壊れたとかいろいろお金掛かったんだから」

クマ  
「設備品が壊れたの直すのは大家さんとして当然ですよ」

大家  
「そうなんだけどさ・・・」

クマ 
 「今まで15年間滞納も無く入居してもらえて良かったですよ」

大家  
「だよね」

クマ  
「原状回復の部分と新たに貸し出す為のリフォームは分けないといけないんですけど見積が出たら打ち合わせしましょう」

大家  
「そうだね、何か言われたの?」

クマ  「借主さんは実に謙虚な感じですけどリフォーム屋さんがいろいろご意見を言ってましてね」



「見積りが上がってきたら打ち合わせしましょう」

この一言を伝えるだけなのに30分も掛かってしまいました


まぁ、特にテナント系は図面や写真を添付してどこまで改造を認めてどこまで復旧するか契約書で取り決めて置かないと出る時にモメる訳です。

と、言うことで記録って重要です。

過去にさかのぼって写真を撮ることが出来ない限り貸す前に記録するしかないです。

もう少し記録の重要性について続きを書きたいのですが、今日もバタバタする予定なのでこの辺で