きのうは休日出勤して溜まっている見積り作成をしてました。

見積書の写真を撮ってもネタにならないし、何か発見や物語的なドラマが起きた事もありません

ココらへんが日記ブログの痛いところです・・・

ではまた





と、終わらせられれば楽なのですが、先日書きかけた5ヶ月間行方不明でひょっこり電話掛けてきた滞納者Aさんの続報を書かせて頂きます。

Aさん(60代男性)は、当社が管理している賃貸物件に7年ほど居住していました。

(2013年8月)

d660e3c37年間滞納が無く真面目な入居者Aさんが、8月分の賃料が滞り、音信不通となりました。

会社勤めではなく自宅で自営の仕事をしている独身者なので、もしかしたら部屋で倒れているのでは無いかと思いお巡りさんと安否確認で入室したところ、「体調悪くて寝てました」と室内にいるAさんを発見。

そこから退去の交渉が始まりました。




(2013年9月)
最初のうちは、取引先からお金が入るので9月末まで待って欲しいとの事でちょっと期待していましたが、約束が守れなかったので退去してもらう事になりました。

(2013年10月)
10月に入っても全く入金の見込みがつかなかったので追い出しモードに。

連帯保証人のBさん(40代元部下の男性)には、8月の段階から状況報告と代わりに滞納金を払うようにお願いしていましたが、この段階での入金がありませんでした。

滞納案件は、「退去」+「回収」がセットなのですが、結構大変なのが「退去」です。

稀に、退去させずに回収が成功してその後も順調な人もいますが、度重なり遅延するタイプの方が間違いなく多いですので、早めの退去が必要になります。

10月の下旬に、大家さんを交えて10月末日までに退去すると確約書を書かせました。

8ca0fe98今まで滞納者と確約書を交わしても反故される事が多かったのですが、Aさんは滞納している以外は真面目な60代なので、最後は自らの言葉で大家さんご夫婦に誓った事が大きかったみたいです。






とにかく、金銭債務よりも物理的な明け渡しを優先しようと自分も退去が成功できる様に頑張りました。

7a3d05c8お金が無いので金属屋さんに文字通り金目の物を売りに行ったり、預けてある敷金から残置物撤去代を払って明け渡しが完了。

この段階で3ヶ月の滞納債務が確定です。





で、Aさんは明け渡しが完了したその日に、自分に衣類の入ったカバンを預けて行方不明となりました。

(2013年12月)
明け渡しが終わったら滞納金の回収なのですが、こちらの方は連帯保証人のBさんとやり取りをしました。

最初は、普通に電話で話をしてくれましたが、しばらくすると3ヶ月分の賃料滞納にも関わらず18回払いと言ってきたり、無理を言うので裁判所で支払督促手続きを行いました。

(2014年1月)
その頃から電話にも出てくれなくなったのですが、支払督促手続きに異議申立てをされて正式な裁判手続きとなりました。

最後は、大家さんが5回払いの分割を認めて和解調書作成で終了して現在分割で返済中です。

「Aと管理会社はグルだ!」と裁判所で強く言われたのですが、結局AさんからBさんに1度も連絡を入れないで行方不明になったのが長引かせた原因でした。

(2014年4月)
BlogPaintその、グル説の根拠になっていたのが自分が仕方なく預かったAさんのカバン。

5ヶ月も放置状態で自分もすっかり忘れていたのですが突然Aさんから電話がありました。





で、先日の月曜日に電話で予告した通り、Aさんは当社にカバンを取りにきました。

こちらも去年の8月からやり取りしていた保証人Bさんにその事を通告していました。

Bさんには来店日時がわかったら連絡欲しいと言われたので電話してみました。

クマ  「Aさん、今日の11時頃来店されるそうなんですけどBさん会われますか?」

Bさん  「そうですか、わざわざありがとうございます」

クマ  「AさんにもBさんが来るかも知れないと伝えたところ、会ってお詫びしたいと言ってますよ」

Bさん  「・・・ 自分は会いませんし11時だと仕事中なので別の日にでも連絡するように伝えて下さい」

何か、お金の事で長年の信頼関係が壊れてしまい、付き合い自体も解消されてしまった感じでしたので、これ以上の事は関わりを持たない事にしました。

クマ  「わかりました。 そう伝えておきます」

Bさん  「あと、警察に被害届出してますのでAさんにその事も伝えて下さい」

クマ  「えっ 被害届って詐欺にあったとかですか?」

Bさん  「そこら辺はAさんから連絡来たら説明しますよ、お世話になりました」

と、言うことで警察が受理したのか相談に行っただけなのかはわかりませんが、賃料の踏み倒しの肩代わりなんかじゃ民事不介入と言われてしまうと思うのですが・・・


で、予定の時間にAさん登場です。

Aさん  「いや〜 この度はホントご迷惑をお掛けして申し訳ございません」

クマ  「ホントですよ、特にBさんは裁判までされちゃってお金払ってるんですから」

Aさん  「怒ってるよね・・・」

クマ  「大家さんだって裁判なんか初めてでストレスで大変だったんだから」

Aさん  「自分、年末に栃木県で倒れて打ち所悪かったみたいで病院に入院してたんです」

クマ  「そうなんですか。無理しないでくださいよ」


Aさん  「1ヶ月くらいリハビリしてやっと退院できたんだけどね」

クマ  「今どこにいるの?」

Aさん  「○○市の保護施設、しばらく記憶喪失だったから入れてくれたんです」

クマ  「Bさんだけど今日は仕事だから別の日に連絡ちょうだいって言ってましたよ」

Aさん  「そうか、Bには一番迷惑かけたからね・・・必ず連絡しときますよ」

クマ  「何だか警察に被害届出してるって言ってましたよ」

Aさん  「被害届? 指名手配みたいな感じになってるって事?」

クマ  「かも知れないですね

Aさん  「勘弁してよ〜」

クマ  「あれだけ言ったのにBさんに連絡しなかったからですよ」


Aさん  「・・・そうだよね。 今度は必ず連絡してみるよ」


Aさん病み上がりにしては元気そうに重たいカバンを持って帰りました。

とりあえず預かり物も無くなり、Bさんとの義理も果たしましたのでこの件は終了です。

3ヶ月滞納で追い出しが出来たところまでは良かったのですが、その後が長くて大家さんも保証人のBさんも嫌な思いをした案件でした。

誰も得しないのが滞納処理の嫌なところですが、ブログネタになることだけが救いなのかも知れません

ではまた