
大家さん(60代女性)のご主人さんは同じ年代のAさんが、寒空の中ホームレスの生活になってしまった事を心配しているそうです。
滞納者Aさんは自営で工場の機械修理関係の仕事を請け負っていたのですが、取引先の倒産を防ぐ為にお金を出資したら全財産無くなってしまい家賃が払えなくなったのでした。
7年くらい居住している間、最後の3ヶ月しか滞納したこと無い真面目なタイプで、大家さんに対しても申し訳ないと謙虚な感じでしたので、行き先の無い退去を迫ることには自分も嫌な気分でいました。
「悪いのは滞納者」
「まずは退去させる」
そんな方針で3ヶ月滞納までしか居住を許さず、念書を書かせて残置物満載の部屋を明け渡してもらってから3ヶ月。
行方不明となったAさんには資力が無いとわかっていますので、連帯保証人のB氏(Aさんの元部下)に支払いを請求していました。
最初のうちは、月々1万円とかの分割を言われましたが、拒否したところ5ヶ月払い位の申し出がありました。
大家さんと話した結果で、分割は認めないと突き返したところ電話に出なくなった為、簡易裁判所で支払督促の手続きを行いました。
これがまた自分の立場だと管理会社なので貸主ではありません。
訴訟や支払督促等裁判上の手続きをする場合は、所有者か借り上げ契約をした貸主でないと本人になれないので弁護士か司法書士を代理人にする以外、大家さんが本人として手続きをしてもらう訳です。
今回みたく明渡しが伴わないお金だけの問題であれば支払督促の制度を利用することが多いです。
書式も決まっているし、数千円の実費で裁判所から通知してくれるので効果が高いです。
大家さんは最初嫌がっていましたが、「簡単だから」とお願いして手続してもらいました。


まぁ大家さんとしては何も悪いことをしていませんので怖いことは無いのですが、こう言う経験が無い一般の人なので債権者・債務者と書いた支払督促から原告・被告と呼び方が変わる裁判への移行は大きな出来事に感じるものです。
大家 「クマさん代わりにやってくれませんか?」
クマ 「前にも言った通り本人訴訟ですから管理会社じゃダメなんですよ」
大家 「裁判なんてすごく心配なのよね」
クマ 「連帯保証人になった段階で滞納金を払うのは当たり前なんだから問題ないですよ」
大家 「Bさん(保証人)の異議って私に言ってるのかしら?」
クマ 「まぁ今までは自分が窓口だったんですけど大家さんの代わりに動いていたから、そう言う事ですね」
異議の内容は、「3ヶ月も追い出しに時間が掛かったのは遅い」とか「借主のAさんが行方不明なのはおかしい」なんて話ですので、こちらから見ると関係ない話です。
でも今まで管理会社が対応していた事を大家さんに引き継ぐのですから重たく感じるのかな程度に思っていましたが考えてみると大家さんは今まで管理会社から報告を受けるだけの立場だったので「滞納して退去して保証人に請求している」くらいの認識しかありません。
単純に本人訴訟やれば弁護士さんに払う費用が浮くと思っていましたが、大家さん自体で督促していないので細かい事聞かれても答えられないかも知れません。
1月29日が裁判期日なのですが、自分の座る席は傍聴席ですので慣れない大家さんが心配になるのはもっともな話ですね。
クマ 「じゃぁ自分が今までの出来事を時系列で詳しくまとめて、再現型のイメージトレーニングする日を作りますよ」
大家 「そうですか・・・ 何かドキドキしますけど大丈夫かしら」
クマ 「準備をしていけば裁判所がちゃんと判断しますよ」
と、言うことで今までの経緯を自分のグーグルカレンダー、社内で流した報告メール、ブログ記事から引っ張りだしてまとめて見ました。
滞納開始から3ヶ月で追い出し完了したのですが、追い出しに至るまでの督促状況、送った書面、残置物の写真、保証人との電話のやりとり等マメに記録を付けていたお陰で時系列にした記録だけでA4用紙8枚にもなりましたよ。
やっぱり小さな事でも記録しておくことって重要なんですね。
後は、この経緯書を元にして大家さんに自分が対応したことを臨場感あふれる説明でイメージして頂くだけです。
1月29日、どんな事になるか傍聴席で黙って見てないといけないと言うのも辛いものがありますが、普通の生活をしている人が裁判所に行くということ自体大きなことなのですね。
さて、本日は午後5時から先日亡くなった地主さんのお通夜に参加してきます。
91歳の大往生だと思いますが、思い出がたくさんあるので寂しいものですね・・・
ではまた

裁判は普通はあまり関わらない事なので大家さんも不安ですよね。でもクマさんのバックアップがあるから心強いと思います。
私は裁判も連帯保証人にもなった経験がありませんが、やはり文字通り保証人は責任を果たさなければいけないですよね。
明日は祝日ですがお仕事頑張って下さい(*^^*)