人気ブログランキング←クリック頂けると励みになります。


この仕事をしていて、ドキドキする事の一つに安否確認業務があります。

まぁ 管理業務のメニューとしてある訳では無く、やむを得ず対応する感じなのですが・・・

最初に書いておきますが、他人の部屋に勝手に入る事は、できません。

ふた昔くらい前なら、滞納しているから室内確認したとか、大家さんが洗濯物が雨で濡れるから合鍵で入って取り込んでおいたなんて軽い感じだったかと思いますが、今時はありえません。

何と言うか法律が変わった訳ではありませんが、時代が変わったのでしょう。

「あなたのした事は住居侵入罪だから警察に通報しました」

なんて感じで、民事では無く刑事事件として訴えられるリスクがあるのです。

これは、滞納して賃貸借契約が解除されていても同じです。

貸主と借主の間では契約が解除されていても、契約書の条文に「2カ月滞納した場合は入室のうえ鍵交換する」と書いてあっても、入居者の意思に反して物件内に立ち入る事は、自力救済となり認められないことなのです。

まぁ そこら辺、民事上の問題より刑事上の問題にされた方がダメージが大きいので、今時は強引な人はいなくなったかと思いますが・・・


ですが、自分の場合、緊急時の立ち入りだけは迷わず実行します。

ここら辺、どういう場合ならOKとか明確なものがありませんので自己判断の自力救済ですが、判断基準は「人命第一」です。

「中で倒れているかも知れない」

と、言う理由の場合は、無条件に出動します。

d660e3c3但し、原則として警察官に立ち会ってもらいます

もちろん、警察官がいれば違法で無いと言う事にはなりませんが、安否確認の場合は9割方、部屋に誰もいなかったりする事が多いので、「何で勝手に入ったんだ」と言われた際に、何となくお巡りさんが味方な雰囲気になるのと、万が一遺体の第一発見者になる事を避ける事ができます。







自分の場合、管轄する交番のお巡りさんと親しくさせて頂いているので、交番に相談に行くのですが、すごく焦っている場合でないと「では1時間後に現地で」とか若干待たされる事があります。

まぁ お巡りさんも暇じゃないのです。(緊急時は110番ですが)


そんな事があるので、昨日の安否確認依頼は、お巡りさん抜きで行ってきました。

今回の連絡は、某マンションに12年前からお住まいのA氏(50代男性)の勤務先の総務担当さんからでした。

法人契約では無く、個人契約なのですが、大手法人で多くの取引があり、営業課N君が電話応対しました。

総務  「実はですね、○○マンションのAさんが突然出社してこなくて電話連絡がつかないんです」

N君  「きのうは、出社してたんですよね?」

総務  「はい、普段問題ない社員なので、もしかして部屋で倒れているかも知れないと思いまして・・・」


この段階で、お巡りさん呼ぶと多少待つことになります。

脳梗塞で倒れているとか1秒でも早く発見しないといけない状態かも知れない・・・

そう思うと、多少グレーな状況でも迷っていられません。

即、営業課N君と一緒に鍵を持って物件に行ってきました。

物件に到着すると、総務の担当さんが待っていました。

クマ  「何か体調悪かったとか変わった様子があったのですか?」

総務  「実は、人事異動が決まって東京の本社で手続きする日だったのですが、異動したくなかったような感じで・・・」

クマ  「あれ? 今日電車が人身事故で止まってましたからダイヤが乱れているだけじゃないですか?」

総務  「いや、それなら連絡が付くと思うのですが、全く携帯に出ないんです」

50代独身ですので、心筋梗塞とかも考えられます。

まさか、転勤するのが嫌で電車に飛び込んだ?

部屋で自殺?・・・

とにかく、鍵を開けて室内を確認しましよう。

部屋のインターホンを何度も鳴らし、ドアポストから大声で入室を伝えます。

「○○さ〜ん 管理会社ですけどいらっしゃいますか〜 安否確認で鍵開けま〜す」

一応、ドアポストから室内の臭いをかぐのですが、何となく濁った臭いがします。

さすがに昨日まで生きているのですから、腐敗している事はないでしょう。


会社の人に会いたくなくて中で隠れている入居者は「鍵を開けます」の言葉に反応して自分から開けてくれます。

ですので、「開けますよ〜」と言ってから少し様子をみます。


全く無反応ですので、部屋の鍵を開けました。


BlogPaintこ・・・これは

この物件、けっこう広めの2DKのマンションなのですが、積ゴミ80cmのレベルでほぼ全域にゴミが詰まっています。

洋室2部屋・ダイニング・廊下・脱衣所・トイレ、全て確認しましたが、Aさんが倒れている事はありませんでした。

全部の部屋を確認するのにゴミラッセル・・・

ちょっと乗り上げると崩れるので雪よりも歩きにくいです。






転勤したく無い理由はこれだったのでしょう・・・


と、言うか安否確認に来たのに新たな物語を拾ってしまった感じです。

未だ発見されない汚部屋。

潜在的な汚部屋は日本中にどのくらいあるのでしょうか?


汚部屋入居者の特徴を以前書いた事がありますが、この入居者も3年に1度定期的に実施している排水管清掃を拒んだとの記録が履歴にありました。

まぁ かなりの確率で入室を拒む人は怪しいのですが、「あなたが排水管清掃をしない事で、排水の詰まりが発生したら費用負担して頂きます」との警告文も無視するのですから、余程知られたくない秘密だったのでしょう。


Aさんの行方に関しては、未だに勤務先から報告がありませんが、どこにいっちゃったのでしょうね?

ちょっと心配ですが、最後はお金で解決することになるでしょう。


ではまた明日


br_banner_tsubame←不動産系ブログの最新更新情報です。
いろんな物語を読んでイメージトレーニング!
 


Google AdSense