IMG_1071太郎くんのいる団地に来ると、ついつい写真を撮ってしまいます。

長年に渡り堂々としているのだから、有名なネコ型ロボットに似ている気がする太郎くんの本物なのでしょう。





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きのう(21日)は、明け渡し訴訟の為に大家さんと一緒に裁判所に行ってきました。

先月、強制執行寸止め案件があったばかりですが、面倒な滞納者は全て訴訟により一掃しようと思い、自分の扱いでは最後の1人となった大物滞納者が相手です。

大家さん(70代男性)は、長年住んでいた大型の一戸建てを、お子さんが独立されて夫婦2人になった事を機会に賃貸に出して、節約の為に賃料の安いURの団地にお住まいです。

物件を滞納者から取り返して、滞納金も回収する事を目的として訴訟を提起しましたが、弁護士先生に支払う金額を節約する為に本人訴訟で頑張る事にしました。

ただ、この大家さん実に無口な方で、奥さんの100分の1くらいしか発言しないので、奥さんに出廷してもらうようお願いしてみたのですが、「裁判所なんて絶対に行きたくない」との事で却下されました。

明け渡し訴訟は、滞納している事実と督促を行っても払ってくれない事が間違いないと判断してもらえれば負けるものでは無いので、そんなに心配する事はありません。

言いたい事は訴状に書いてあるのだから、あとは自分の気持を伝えればOK。

そんな感覚だったのですが、滞納者からは、数日前に大家さん宅に届いた「心のこもった上手な文章のお手紙」の内容を抜粋したものが答弁書として裁判所に提出されていました。


大家さんが裁判所の雰囲気に慣れてくれるように予定時間の30分前に法廷に入りました。

誰もいなかったので、傍聴席に座って打ち合わせしたのですが、この裁判所は最近リニューアルされて立派な雰囲気で初めての方には威圧感を与えます。

大家さん 「テレビで見る裁判所と同じですね・・・」

クマ 「小さい法廷ですよ、席が多いけど裁判官は1人ですから」

大家さん 「緊張して話せるか心配になってきました」

クマ 「大丈夫ですよ、裁判官も書記官も優しい人ですから」


開廷10分前に、滞納者が出廷してきました。

自分の予想では、裁判始まる前から泣き落とし作戦で、大家さんに何か言ってくると思ったのですが、「おはようございます」の返事だけして無視。

今回は、連帯保証人も被告として訴えたのですが、「訴状の事実については認めます」と、書いた答弁書だけ提出して仕事が忙しいからとの理由で出廷しませんでした。

ここから先は、ちょっと生々しいので多少ボカして書かせて頂きます。

裁判官・書記官・司法委員が揃い、裁判開始。

裁判官 「出廷されているのは原告の◯◯さんで間違いないですね?」

大家さん 「・・・ 」 (うなずくだけ)

裁判官 「建物の明け渡しと、滞納金の支払い、明け渡しまで毎月◯◯万円の支払いを求めるって事で間違いないですか?」

大家さん 「・・・ 」(無反応)

裁判官 「◯◯さん、訴状に書いてある事を請求しているんですよね?」

何か緊張のあまり固まっちゃった様子ですが、大家さんは傍聴席の自分の方を見て助けを求めるので、きちんと答えるように念を送りました。

大家さん 「そうです、訴状の通りです」

裁判官 「被告は、答弁書で訴訟の事実は認めるけど明け渡しには応じませんと書いてますね?」

滞納者 「はい、誠に申し訳ありませんが家族の問題(ボカシます)で、引越しができる状態ではありません」

裁判官 「それで、来月から2万円を払いますって書いてあるけど、どう言う意味?」

滞納者 「毎月の賃料にプラスして2万円を払うって事です」

裁判官 「今まで払えなかった人が、払えるなんて大家さんは考えないですよ、具体的に払える理由を言って下さい」

滞納者 「今は、無職みたいなものですが、今週大口の契約がある予定でして来月からは収入が増える予定です」

裁判官 「◯◯さん、2万円の上乗せで勘弁してあげるって事はあるのかな?」

大家さん 「嫌です」

裁判官 「いくら以上払えば明け渡しまでは求めないって金額はありますか?」

大家さん 「前にも同じ事があって、何度も裏切られたから嫌です」


裁判官 「じゃぁ 司法委員さんと、3人で別室行って話し合ってくれますかね?」

大家さん 「嫌です」

裁判官 「・・・ 分割払いにも応じず、明け渡し判決を求めるって事かな?」

大家さん 「はい」

裁判官 「◯◯さんの家庭の事情もあるし、実際に明け渡しの判決が出ても、◯◯さんの家族全員建物にいたら強制執行しなきゃいけないんですよ」

大家さん 「・・・」

裁判官 「そこら辺、追い出すだけでなくお金も回収しなきゃダメなんだから現実的に話し合ったらどうですかって話しなんですよ」

大家さん 「もう、こんなところ来たくねぇです!」

裁判官 「・・・そうですね、もうこれで終わりにしたいって事ですね」

大家さん 「何度も嫌な思いしてるんだし裁判所なんて嫌なんですから!」

裁判官 「被告もさ、保証人からお金出してもらえないんだったら、誰かに借りるとか努力してるの?」

滞納者 「はい、別の親戚に打診しようと思っています」

裁判官 「思ってます? ちょっとさ、保証人の答弁書には何も意見が書いてないんだけど、なんて言ってるのよ?」

滞納者 「私に任せると言ってます」

裁判官 「はぁ? じゃぁ滞納金全部払えって言えば払ってくれるの?」

滞納者 「いや・・・ それは無理みたいです」

裁判官 「あのね、あなたの契約が取れるって話で保証人説得して、滞納金をいくら払うから、大家さんに明け渡しを勘弁してくれって頼まないとダメでしょ!」


滞納者 「他にも、妻が◯◯の売上を上げる予定がありまして・・・」

裁判官 「大口の契約ってのと奥さんの売り上が上がる見込みってのを目に見える形で出してくれないと話になりませんよ」

滞納者 「それは、今週中に契約書を締結する予定でして・・・」

裁判官 「今週中? 今日は水曜だけどホントなの?」

滞納者 「はい、契約を急ぐように言われていますので今週の予定です」

裁判官 「ちょっとね、大口の契約して家賃払える見込みが出来るって主張なら具体的にやって下さいよ、とりあえず詳しい話は長くなるから司法委員さんと別室でやって下さい」


ここで、裁判官と傍聴席の自分の目が合いましたので、指で自分を差して同席出来るようにして欲しいと念を送ったところ・・・

裁判官 「不動産屋さんね、司法委員さんと同席して話をしていいです」

クマ 「ありがとうございます」


その後、司法委員さん大家さん滞納者と自分で話し合うこと30分。

長くなるので結論だけ書くと、保証人を呼び出して滞納金を一括で払えると言うなら大家さんが明け渡しを譲歩できるか検討する事になりました。

と、言うことで来月も水曜日の定休日に休日出勤決定です。

帰りの車の中で大家さんと話しました。

大家 「いや、ホント緊張して上手に話せなかったですよ」

クマ 「大声でこんなところ来たくねぇって答えたのが良かったですよ」

大家 「何度も裁判したくないって意味だったんですけど」

クマ 「裁判官言う通り判決取れても強制執行までやるのは覚悟がいるから、保証人から回収の道も探らなきゃいけませんね」

大家 「◯◯さん(被告)の家族の話も重たいけど、大家にお願いするんじゃなくて保証人にお願いすればいいんだよね」

クマ 「まぁ 来月答えがわかりますから、保証人に望みが無かったら強制執行までやるしか無いですね」

大家 「そうですよね、家を乗っ取られた気分だから絶対取り返しますよ」


と、言うことでまた一つ大きな物語を経験させてもらうことが決定です。



さて、本日(22日)は定休日なのですが、朝から都内で動画撮影に参加してきます。

何してるかは来月くらいに発表させて頂きますね。

ではまた明日



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