ブログを始めた初期の頃から登場していて、貴重な人生の話をじっくりと聞かせて頂いた最年長大家のAさんが、火曜日にご逝去されました。
大正4年(1915)8月生まれで103歳でした。
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戦前には226事件・ノモンハン事件の歴史的な最前線を経験されて、最後は生存率7%の極限状態であったパプアニューギニアで終戦を迎え、4カ月ほど捕虜収容所で過ごして体重35kgの衰弱した体で日本に帰ってきた歴史の生き証人でした。

6月初旬にAさん宅を訪問したのが、Aさんと会った最後の日となりましたが、その時には腰が痛いとか食事の量が減ったとの事で、いつもより元気が無い感じでしたが普通に会話が出来ていました。
クマ 「そうですか、ちょと心配ですね・・・ さすがにタバコは辞めましたよね?」
Aさん 「いや、吸ってるよ」
クマ 「え〜 お医者さんに止められて無いんですか・・・」
Aさん 「吸ってると言うか、口に含んでる程度で肺には入れてないから大丈夫なんだ」
と、笑いながら言ってましたが、ほんとタバコが大好きだったのでしょう。
この訪問の翌日に検査で病院に行ったところ入院が必要となり、約1カ月後の先日、お亡くなりになったとの連絡があったのです。
大変悲しい報告でした。
今度の日曜日がお通夜なのですが、デジタル化した古い写真があると身内の方に知らせないといけないと思い、昨日訪問してきました。
と、言うのも古い写真をデジタル化した当時は、ご長女さんがAさんのお世話をされていたのですが、昨年の2月にご長女さんが亡くなられてしまったのでデータの存在を誰も知らない可能性があるのです。
クマ 「この度はご愁傷様です、お取込み中とは思いますがお線香あげさせて頂きたいのと、お伝えする事があります」
娘様 「ありがとうございます。 父が帰ってきておりますのでどうぞ」
ご高齢とは言え最近まで会話出来た方と話が出来なくなると言うのは悲しく心が痛くなります。
先月、突然訪問しようと思い、話ができた事は運みたいなものなのでしょうか・・・
焼香を終えて、自分が持っているデータをUSBメモリで渡しました。
娘様 「ありがとうございます。 そう言えば父がテレビで昔の写真を見ていました」
クマ 「はい、DVDとプリントアウトした写真が大量にあると思いますので、どこにあるかご存じでなければこのUSBデータを使ってもらえればと思いまして」
娘様 「プリントアウトした写真もあるんですか?」
クマ 「先月お会いした時にもお父様が見せてくれましたけど、プラスチックのケースに入れて大切にしまってあるはずです」
と、言ってAさんの部屋に行き、ケースを発見。
無事にデータの存在を伝えられました。
不謹慎な事を言って恐縮ですが、自分は高齢な地主さんとの接点が多いので、これから間違いなくお別れする人が増えるはずです。
死は悲しい話ではありますが、残された人には故人から何かしらの思いが伝わるものです。
何が伝えたかったのか?
・・・
亡くなる前に聞くのが一番ですね。
Aさんのご冥福をお祈り致します。
最後の、ご奉公です。あの時、君がいてくれたからって言われるのが、営業冥利に尽きます。