うちの管理課には女性スタッフが2名います。
基本的に男性スタッフは外回りすることが多いので、女性は内勤みたいな感じになり、管理課での仕事は更新や解約などの事務処理と不具合や苦情受付を電話でするコールセンター的な役割を担っています。
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ホント自分としては対応力が半端ないスタッフが良く集まってきてくれたものだと感謝しているところなのですが、時として言いがかり的なネチネチ系電話を受けたり怒鳴りつけられたりすることがあるのです。
そう言った報告を受けると「許せない」と思ってしまい、反撃してやるとか思ってしまうのですが意外にも、「そんなことしなくて良い」と言うのは電話を受けた彼女達なのです。
「うちの大事なスタッフに怖い思いをさせて電話対応が出来なくなったらどうしてくれるんだ!」と言いたい腹立たしさを「電話だと何でも聞いてくれるから言い過ぎちゃう人もいるんですよ」と大人の対応・・・
普通なら「この仕事嫌です」と宣言されてしまうところなのに感心するものです。
で、昨日は高い確率で怒鳴り付けてくるAさん(70代男性)からの電話がありました。
Aさんは、先月自転車が盗まれた件を管理会社の責任として部屋をぶっ壊してやる等々暴言を吐き、結局のところ管理課女性スタッフのSさんとW君で部屋に訪問したら大人しくなった人です。
その際は、毎月の生活費の支援を受けている市役所に引越しを認めてもらったので部屋が見つかったら引越すると言って喜んでいたのですが・・・
管理課Sさんが深刻な感じで自分に相談してきました。
Sさん 「Aさんから電話があったんですけど、今回はかなりヤバいです」
クマ 「えっ またぶっ殺すって言って来た?」
Sさん 「今日の夜、部屋で自殺するって言ってるんです」
いつもは、攻撃相手が当社なのですが、恐らくは前回管理課Sさんと会って若い女性に暴言吐くのはやめようと思ったのでしょう。
録音システムのデータを聞いてみたところ、かなり悲痛な内容で「俺は生きるのが嫌になった」等言ってます。
内容的には市役所が引越しを認めてくれたと思っていたのに、自己都合の引越しには費用を負担出来ないとの回答があったらしいです。
Aさん 「俺はさ、生きてる意味が無い人間なんだよ、今日は最後の日だから好きな音楽を大音量で聞いてるんだ」
電話口からは結構な音量で音楽が聞こえます。
平日の昼間なので、隣室から苦情は来ていませんが通話内容が聞こえなくなるくらいの音量です。
Sさん 「ダメですよ、死ぬなんて困ります、そちらに行きましょうか?」
Aさん 「もういいんだ、身内もいないから、適当なお墓に埋葬してくれると嬉しい さよなら・・・」
と、電話が切れたそうで、管理課で対応をどうしようか考えていたところ、再度の着信。
今度は酒を飲んで話しているとの事で、意味不明な感じなのですが、あまりにも後ろ向きになっている話をして電話が切れました。
通話内容から、「これは本気かも知れない」と感じた自分は市役所の生活支援担当者に電話しました。
クマ 「〇〇マンションのAさんですけど、これから死ぬって電話掛かってきたんですけど、何か連絡行ってません?」
担当 「今、Aさん担当ケースワーカーが外出中なのですが、実は引越希望が出ていて費用の負担を拒んだら大激怒して脅迫的な言葉を言われた状態です」
クマ 「今晩部屋で薬飲んで死ぬって宣言する電話が2回も掛かってきたんで、これから様子見に行ってこようと思ったんですけど、管理会社が対応するより問題が市役所さんにあるならご対応頂きたいんですけど」
担当 「今、連絡が入って、Aさん、支援団体にも同じような電話をしているみたいです・・・」
クマ 「本当に自殺されたら困るので、そちらが対応しなければ警察と一緒にAさん宅行きますけど、問題が引越費用が出ないことなんだから市役所さんも来て頂いた方が良いかと」
担当 「わかりました、何とか考えて対応しようと思います」
そんな話をしているうちにAさんから3回目の電話が掛かってきて、今度は管理課Oさん(20代女性)が対応。
通話内容をスピーカーにしてもらったところ、Aさん大泣きしている状態で返答がなくなりました。
バックミュージックの演歌が実に悲しい雰囲気を醸し出しています。
こんな重たい対応を若いスタッフにさせていたら、トラウマになって仕事が嫌になるかも・・・
もう、様子見する時期は終わったと判断しました。
クマ 「もうヤバイ段階なので、こちらで警察官呼んで安否確認でAさんの部屋に入りますから、そちらはそちらで対応して頂けますかね?」
担当 「はい、こちらも引越費用が出る別の方法を検討してみます」
クマ 「Aさんから度重なる迷惑行為が続いているので貸主名で賃貸借契約解除するって書面を出せば引越を認めて頂けますでしょ?」
担当 「・・・そうですね、いろいろ考えてみます」
と、言う事で、出発準備をして管轄する警察署に安否確認のアポを取ったところ・・・
警察 「既に通報があり警察官が現地にて対応中です」
誰が通報したかわかりませんが、既に警察官が現地へ到着、その後警察署に移動して保護されたとのことでした。
この件、解決した訳では無いのが重たいところですが、元々は共同住宅に住むことに適さない過剰反応や被害妄想的感覚が強い人なので、病気である可能性も高いと思います。
元は自主管理大家さんが困っている人を助ける社会貢献として無審査で受け入れた方なのですが、建物全体の管理を受託した以上は対応する形になりますし、何より人命に関わる重要案件であるのと事故物件になってしまうことを防がないといけません。
今回を切っ掛けにして早急に引越してもらえる事を心より期待します・・・
(追記)
この記事を書いた40日後にAさんに退去して頂くことが出来ました。
ではまた明日
かなり重たいお話ですね。色んな人に電話をしているのは、話を聞いてもらいたいのか、止めてもらいたいのか、来て欲しいのか…私にはわかりませんが