賃貸管理の仕事には様々な案件があります。

自分、大体のことは経験済みのことなのですが、昨晩発生した案件は変化球と言うか未経験なパターンでした。


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午後6時が定時なのですが、管理課W君が深刻な顔で相談しにきました。


W君 「〇〇アパートのCさん(70代男性)が救急車で運ばれたんですけど、救急隊の人から電話で病院まで来てくれって言われたんです」

クマ 「は…   何で管理会社が救急隊に呼ばれるんだよ」

W君  例の奥さんが亡くなって1人で住んでるCさんですよ、社会福祉協議会の人が土曜日で電話に出なくて自分を連絡先に指定したんです」

クマ 「それって意識不明とか本人確認しろってことじゃ無いか?」

W君 「いや、意識があって自分の携帯番号伝えたそうですから、そこまでの状態じゃ無いかと」

クマ 「確か身寄りが無くて市から保護受けてて体調良くない人だろ」

W君  「そうです、入院の保証人になってとかですかね?」


クマ 「お金は市役所が対応してくれるんじゃないのかな、とにかく管理会社が呼ばれるなんて無いから」


なんか良くわからない状態でしたが、救急隊に迷惑かける訳にもいかずW君が1人じゃ嫌だとの事で2人で緊急出動。

場所は高速飛ばして40分掛かる大きな病院でCさんのかかりつけでした。


IMG_4287到着した際にはまだ救急隊の方が病院にいて自分達を受付まで誘導してくれました。

連絡を頂いてから到着まで結構な時間があったと思いますが、自分たちの到着を待っていたのでしょうか?

ドキドキしながら様子を見ていると救急隊の方は、医師が運ばれた患者さんを診察して処置できない場合に違う病院に運ぶことになるかも知れないので結果待ちだったようです。






かなり大きな病院ですが、夜間は当直の先生2名と看護師さんの数名体制で救急車で運ばれてくる人を診ている感じでした。

コロナ騒動もあるので医療の現場で働く皆様にはホント頭が下がります。


看護師さんの説明では、Cさんが運ばれた理由は、部屋の中で気分が悪くなり、外へ出たところ近所の人が様子を心配して救急車を呼んでくれた感じで、症状的には血圧の急上昇でめまいがしている状態だったそうです。

MRI撮影とかいろいろやって90分経過したところで看護師さんが説明に来ました。


看護師 「お待たせしてます。現在点滴打って安静にしている状態なのですが、血圧が下がりましたのでご安心下さい」

クマ 「良かったです、ちなみに何で私たちが呼ばれたのでしょうか?」

看護師 「救急隊の方がCさんの面倒を見ている市役所の方と連絡が付かなかったのでCさんにWさんの携帯番号聞いたそうなんですよ」

W君 「確かに私が社会福祉協議会の方とアパートの件で対応していますけど、病院まで呼ばれるってのは・・・」

看護師 「病院としては、お帰り頂ける状態と判断致しましたのでCさんと一緒にお帰り頂きます」

クマ 「は? 無理ですよ、Cさん救急車呼ぶくらいの状態なのにアパートで一人にしちゃうなんて危険すぎます」

看護師 「そう言われましても、血圧下がって安定してますのでお帰り頂きます」

クマ 「いやいや、ストレッチャーで寝ているような人、自分の車で運べませんよ、入院させて下さい」

看護師 「そんなこと言われても・・・ とにかく病院としては入院不可です!」

クマ 「こっちも引き取り不可です!」


看護師 「困りますね、対応した先生と話をして頂きますけど他の方診てますからお待ちください」


何か、変な人に思われたようで、怖い顔して先生のいる部屋へ戻って行かれました。


こんな時期に病院さんを困らせるのは本意ではありませんが、Cさんの点滴受けている様子を見ると車で家まで運ぶ自信は無いし、何より独り暮らしのアパートの部屋に戻して容態急変して亡くなったとかリスク高すぎます。


W君 「ずいぶん、強硬に拒んでますけど大丈夫ですか?」

クマ 「いや、アパートに帰らせるなんてあり得ない、意地でも拒否するから」

W君 「なんだったら、Cさん自分の部屋に泊まらせましょうか、人助けと考えれば構いません」

クマ 「何言ってんだよ、車の中で容態急変とか部屋で亡くなったりするなら病院で面倒みてもらった方が絶対安全なんだから」


そんな話がぐるぐる回っていたところで先生に呼ばれました。


先生 「私、今回担当した医師の〇〇と申します、専門は内科なので血圧を下げる治療を行いました、確かにCさんは泌尿器科の病気で当院に通院されておりますが、そちらに関しては別の問題となりまして、入院まで必要無いと言うのが私の見解ですので、ご理解頂けませんかね」

クマ 「いや、先生が仰っている医学的な根拠は私にはわかりませんが、Cさんを独り暮らしの部屋に戻すのは大変危険だと思いますし、素人が車に乗せて何かあったら責任取れませんので入院させて下さい」

先生 「何でそうなりますかね? Wさんの会社に面倒見てもらっている訳なのでご理解して頂かないと困ります」


クマ 「うちは、ただの管理会社で救急搬送されるような病人を家まで運ばなきゃいけない義務なんてないですから」

先生 「お宅、介護会社なんですよね? ホームのWさんと言うことで救急隊から引き継ぎ受けてますけど・・・」

クマ 「・・・もしかしてCさんがそう言ったのかも知れませんけど、アパートの管理会社でベルデホームって会社なんですよ、グループホームと勘違いされてましたかね?」


先生 「そうだったんだ・・・  救急隊の人が勘違いしたんですね申し訳ありません」

クマ 「いえいえ、自分的にはお忙しい病院さんに迷惑かけるつもりは無いのですが、車で搬送とかのテクニック無いですし容態急変とか怖くて、医療機関で面倒見て頂きたいと思っておりまして」


ここで、W君がストレッチャーで点滴受けながら寝ているCさんに話しかけました。

W君 「食べ物も無いし寒いし、また具合悪くなるかも知れないし部屋に帰るなんて無理でしょ?」

Cさん 「心配なので病院にいたいです・・・」


先生 「・・・わかりました、泌尿器科の先生と相談して入院できるか確認しますので、お待ちください」


病院のスタッフさんが強気の言い方をされていた原因がわかって良かったのですが、これ以上引き取れと言われたら引き取らない宣言してW君と帰る覚悟でした。

待つこと30分。

泌尿器科の先生の入院OKが取れたそうで、無事に解放されました。

何だかんだで3時間くらい病院にいましたが、貴重な経験をしたものです。


Cさんは、現在のアパートに関して退去して施設に入る方向で話を進めている最中だったので今回の入院を機会に進展があると助かります。


いろいろ経験できる仕事ですね・・・


ではまた明日


※追記
本件、その後入院が続き、社会福祉協議会さん経由で介護の出来る施設への入所が決まり、無事にアパートも解約となりました。
ほんと、医療や福祉関係の皆様には感謝です。




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