昨日の夕方は、新宿のセキスイハイム不動産様へ行ってセミナーさせて頂きました。
先月に引き続き2回目のご依頼でしたが、今回も賃貸管理の仕事をしていての最前線の話を語らせて頂いた感じです。
セミナーで語ると言うことは、資料を作ってまとめると言うこと。
全国共通の「管理あるある」状態にプラスして、ケースバイケースの事態が起きたとしても「基本的な対応の骨組みは同じ」的な部分があるものだと再認識させて頂けるものです。
「理屈・法律・感情」 どの部分も大切なのですが、特に「感情」については「敵にも味方にもなる重要度が高い要素」と再認識頂けたかと思います。
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そんな感じでプロの皆様の前で語らせて頂いた日の午前中には、まさに「現場最前線」の緊迫した物語を経験していました。
今回の話、まずは経緯を書くと、
「20年くらい前に当社で客付けしたAさん(男性 現在80歳)が部屋のボヤ騒動で汚部屋がバレて、以後自主管理の大家さんが監視していたが汚部屋が解消されず、両目が緑内障の悪化でほぼ見えなくなり、更に酷い腰痛があり介護が必要な状態になっている状態なので、施設への引越を社会福祉協議会さんと連携して進めている状態」
です。
と、簡潔に書こうと思っても長くなる感じなのですが、更に詳細はブログのリンクをご参照下さい。
(古い順です)
ダブルパンチ →ボヤによって汚部屋状態が発覚
6年後 →目が見えなくて保証会社への振込が出来ないとの相談
ニセ札持ってきた? →すごい身なりで銀行へ行ったところ、銀行員に嫌がられる
大家さんの反応 →自主管理大家さんとしてどう考えているのか?
入所して下さい →介護施設への引越を交渉 (これが1週間前の出来事です)
で、1週間前の金曜日には汚部屋のゴミ撤去の見積もりを業者さんに依頼&施設に入る件についても納得して頂いた様子だったのですが、ゴミの撤去費用を社会福祉協議会の担当さんが伝えに行ったところ、「そんな高いなんてあり得ない」&「施設に入らないでここで死ぬ」と言い出してしまったそうです。
ちなみに写真の掲載は控えますが、Aさんのゴミは生もの系を含んだミックスゴミで、積ゴミは平均すると30センチ程度。
恐らく夏場は相当な悪臭がある状態で、トイレに関しては近寄れない状態です。
過去の事例からの自分の見立ては40万円の請求と思っていましたが、業者さんは30万円の見積もりを上げてきました。
と、言うことで社会福祉協議会の担当さん2名と現地集合してAさん宅を訪問。
担当さん 「Aさんおはようございます、今日はクマさんにきてもらいましたよ」
Aさん 「クマちゃん来たのか、出て行けって話だろ?」
クマ 「Aさんね、自分はゴミだらけの部屋にいると目も腰も悪化すると思って施設に行こうって行ってるんですよ、追い出し屋みたく思われるのはガッカリな話ですよ」
Aさん 「いや、悪かった、そう言う意味じゃ無いんだよ、何かゴミの撤去費用が高くて驚いたんだ」
クマ 「あれね、業者さんとしては、今すぐ撤去ならもう少し安いんだけど、退去がいつになるかわからないから多少ゴミが増えても撤去してくれる金額が30万円なの。 来月いっぱいで出るならもう少し安くなると思いますけど、長期化するともっと金額上がっちゃうのはわかるでしょ?」
Aさん 「わかったよ・・・ お金はあるから払うけどさ、施設に引っ越す決意が出来ないんだよ、今の時期は寒いし春になったらじゃダメかな?」
クマ 「この部屋にいるから寒いんですよ、施設は温度管理されてるだけじゃなくて、朝昼晩しっかり食べられて風呂にも入れてくれてフトンで寝られるんだから、早く引っ越しましょうよ」
ここで、社会福祉協議会の担当さんから施設がどんなものかの説明が続き、Aさんも納得されたような状態になりました。
Aさん 「ほんと、俺は大家さんにも福祉の人にもクマちゃんにも迷惑掛けて、どうしょうも無い奴だって良くわかったよ。 みじめで泣けてくる」
何か悲しいモードに入ってしまったようでAさんは涙ぐんでしまいました。
Aさん 「目が覚めたらゴミの上、食事もゴミの上、目が見えないから外へも行けずゴミ溜め生活・・・ 俺は自殺した方がいい人間なんだ」
クマ 「だったら、うちらを信じて施設に行くしか無いんですよ。 この生活してても良いことないし体に悪いだけですから・・・」
Aさん 「悪いなぁ 俺が決断できれば済むのに・・・ 」
クマ 「Aさんは、年金もしっかりもらってるし元銀行員で頭良いんだから施設に行って健康になれば新しい世界が待ってると思いますよ」
Aさん 「こんなゴミ溜め生活でもラジオだけは聴けるから世の中の状況は良くわかるんだよ、目が見えない分、耳から情報が入るからボケてない自信はある」
クマ 「いろんな事に詳しいのはラジオが情報源だったんですね。 素晴らしいことですよ」
泣きながら死ぬと言い出した時には緊迫しましたが、10分くらいやりとりして前向きになって頂けました。
ゴミの撤去費用に関しても理解してくれて、大家さんに預けると言うことで決着。
残すは施設への入所に関してですが、Aさんの言う春では無く、極力早い時期での引越を進めて行こうと思っています。
どうなりますでしょうかね・・・
ほんといろいろ経験出来る仕事です。
さて、本日は社長に同行して挨拶回りをしてきます。
高齢者と接する機会が多いので、抗原検査キットで陰性確認していますが、これも精度が怪しいとか検査した後に感染したら意味ないとか考え出すとキリが無いのでうんざりな感じになってます。
まぁ 仕方ないことなのでしょうけど・・・
ではまた明日
Aさんの感情の起伏が激しくて大変ですね。
ほんとうに施設へ行きたくないのか、決心がつかないのか…
まだ対応は続きそうでが、とりあえず引き渡しと引越し済ませて欲しいですね。
明日もお仕事頑張って下さい(*^^*)