906昨日のブログで途中まで書いた福井県の永平寺参禅体験の続きです。

永平寺の歴史と伽藍(がらん:建物)の広さや美しさに驚いたところまで書きましたが、更に良い経験になったのは座禅やプチ修行的な部分で教わったことでした。





人気ブログランキング
←クリックして頂けると票が入る仕組みです。
更新の励みになりますので1日1回で良いのでよろしくお願い致します!


一泊二日座禅体験の参加者には指導担当の和尚さんがついてくれます。

これがまた、お寺の中はルールが多くていろいろ伝えておかないと修行僧の方をはじめ迷惑が掛かると言うことと、普段何気なく行っていることが見方を変えると悪い態度になってしまうと言う理由についての基本を教えてもらった感じです。


4回ある参禅体験の1回目は、「どんなものか身をもって経験して」的な回でした。

まずは宿泊部屋から出て集合するように言われたのですが、「靴下を脱いで裸足・スマホ・カメラを持たない」ようにと言われ、加えて「腕時計・アクセサリーも持参禁止」と言われました。

自分、アクセサリーなんて持っていませんがブログネタの写真が撮れなかったことにショックを受けました。

ここで我に返ったのは「ブログ書くために来たんじゃない」と言うこと。

精神を自分の内面に集中させる貴重な機会なのだから持っていく物など無くて良い訳です。

そう言う自分自身の癖のような変な感覚に気がつくのも修行の効果なのでしょう。


まずは場所を移動する際にも歩き方の基本があり、両手を胸の前で合わせる叉手(しゃしゅ)と言う基本を教えられ、私語厳禁な上にスリッパの音を立てないで歩くようにと指導されます。

そして座禅部屋に入る際も入口付近にある仏様の前を通る際は合掌する、敷居をまたぐ際は入る時は左足から、出る時は右足から、白い線が引いてある場所では止まって一礼と言った感じで、いろいろ言われて混乱する感じになります。

更に座禅の場所に座る際にもルールがあります。

座禅の場がどのようなものか永平寺さんのHPに写真がありますので確認して頂ければと思いますが、1人当たり畳半分のスペースに座ります。

丸いクッションの坐蒲(ざふ)がありますが、これがまた畳の手前にある板の部分は食事を受け取ることもあるテーブル的な部分なので座らないように言われ、畳の上にある坐蒲(ざふ)に名前が書いてある布があるので、その位置が必ず通路側に来るように180度回してから腰を下ろし、自分が180度右回転して壁に向き合います。

こう言うのですよ・・・

正直言ってブログのように文字だけで説明されても全くピンと来ない訳です。

なので、初回は文字で予め学習するのではなく、実際に座る様子を指導担当さんが見せてくれることで言っている意味がわかるのです。

書物を読んで知っている気になっていても実行していなければ本当にわかったのか怪しいもの・・・
「知る」ことと「わかる」ことは似ているけど違う。
「修せざれば現れず」と言う「実行しなければわからない」とはこう言うことだと教えて頂きました。


そしてあぐらをかくような感じで座り、両方のひざを畳につけるようにと言われます。

えっ ひざなんて片足しかつかないけど・・・

両足を組む「結跏趺坐(けっかふざ)」が出来る人もいましたが、自分は片足を組む「半跏趺坐(はんかふざ)」でチャレンジ。

どちらの組み方でも良いので、両膝とおしりの3点で支えることが基本となります。

最初「自分は座禅出来ない人だったんだ」とショックだったのですが、足を体に引き寄せてクッションの坐蒲(ざふ)の前の方に姿勢を傾ければ両ひざが畳に付くとわかり座禅を開始することができました。

ただ、慣れない姿勢でかなり足が痛い・・・

この1回目が終わった後に座禅についての講義がありましたので、 痛くない方法を教えてくれるのだろうと期待して話を聞きましたが「痛いと感じる仕組みは脳に信号が来ているだけですから、そうですかと受け流してください」と言うお話もありました。

それはそれで、凄いテクニックのような気もします・・・

長年座禅しているお坊さんでも痛いらしいですので、慣れなのでしょうかね。

ここで和尚さんに言われたのは「私の話を聞いても無所得・無所悟ですから」と言う言葉。

文字や言葉で伝えられてわかった気になっていても、実行しなければわからないのだから、一応は説明するけどやりもしないで得る知識などは無いのと同じ。

何とも正直な講義です。




その後、薬石(夕食:精進料理)の時間となり、ここでも大切なお話をして頂きました。

和尚さんの食膳の講話では、「お椀に盛り付けた料理に手を伸ばして箸で摘まむのは他の命を下に見ている行為」と説明を受けました。

最初は何が悪いのかわらず、どうやって食べればいいのか疑問に思ったのですがきちんと説明してくれました。

食材にも命があり、自分が生きていくためにその命を奪ったと言う犠牲により生かされた感謝の気持ちを込めて、お椀を手で持ち上げてから箸を使って頂く。

食事をするだけでも「命の尊さと苦労に感謝」「自分を顧みて食事を頂くに値するのか」「怒る気持ちや好き嫌いの気持ち」「食事が薬となり命を繋ぐ」「より良き人間として生きる」そのような事を思っての「いただきます」に感動しました。

いろいろと考えさせられることが多いプチ修行ですが、やはり人としての基本は感謝なのでしょう。

精進料理は肉も魚も無いのですが、話を聞いてから食べたら大変美味しく頂くことが出来ました。

大切なのは腹7分くらいにすることですとも言われましたのが、食後には眠くなると言うのが人間の仕組みなのでしょう。

そして場所を移動して永平寺の紹介動画で学習の時間。

ちなみに紹介動画は同じものがユーチューブにありました

これがまた実に見応えのある動画なので興味が無い人が見ても心動かされるものがあると思いますのでおススメです。


この段階で午後8時くらいだったのですが、結構いろいろな経験をさせてもらい眠くなった状態でした。

そんな中での2回目の座禅。

ちなみに座禅は目を閉じないで壁を見つめます。

何も考えないように腹式呼吸に意識集中するのですが、

9062古貸家のAさん、部屋に引き籠っているのは座禅修行のためだったりして・・・」

なんて感じで自分の場合必ず何か余計なことが頭に思い浮かびます。

何も考えないようにするにはどうすればいいのか?

考えないことが出来たと思ったら寝落ちの一歩手前だった・・・






パ〜ン  実によい音が座禅堂に響き渡ります。


座禅と言えば一休さんのアニメか、棒で肩を叩かれるシーンが頭に浮かぶものです。

これは警策(きょうさく)と言うそうで、自分的には寝落ちしてフラついた人に罰を与える的なものだと思っていましたが、そうでは無く、自分から申し出て叩いてもらう仕組みです。

担当の和尚さんが背後に近づいてきた時に合掌をすると肩を軽く2回ポンポンと叩かれた後に結構な勢いでパ〜ンと叩かれるのです。

一緒に座禅している誰かがお願いして叩かれたのですが、自分も叩かれて気合を入れてみようと思い、合掌しました。

肩を軽く2回叩かれたあとにパ〜ンとなる。

と、思ったけどなりません。

小声で「首を左前に倒して」と言われてから2回の軽い叩きがあり思いっきりパ〜ンと頂くことができました。

ちゃんと首を倒さないで警策を受けたら右耳を叩かれて大声で叫んでしまったことでしょう・・・

警策の刺激で結構な満足感のうちに座禅を終えて午後9時で消灯。

翌朝が4時に起床なのでそのくらいに寝ないと起きられません。

ちなみに宿坊なのでテレビもありませんし、参加者の皆さんも疲れているようですぐに眠りにつくことが出来ました。

が、これがまた相部屋なのでイビキがうるさい人が数名、隣の人は歯ぎしりが凄い感じで極めつけが午前3時半にスマホのアラームが鳴っているのに1分くらい止めないと言う実に迷惑な朝の始まりとなりました。

富士山の山小屋よりは格段に快適なのですが、音に関しては遠い昔の思い出が蘇りましたよ。


座禅は全部で4回あったのですが、朝食後の最後の座禅でもバッチリ警策してもらいまして、喝を入れて満足したような修行体験となりましたよ。


ブログ書きながらネットで調べたら、座禅や作法に関するホームページがありましたので、興味がある方は自分のブログより正確なこちらのページをご参照下さい。


座禅だけでなく履物をそろえること、歩くこと食事することなど生活すべてが修行。

と、言うことは日々の仕事も修行であるのでしょう。

自分と向き合い心を整えようとする努力と感謝する心を持つことの大切さ。

短い時間でしたが無宗派な自分にもしっくりくる良い経験が積めたことに感謝です。



さて、本日は東京都宅建協会さんの第11ブロックの研修講師で小平市まで行ってきます。

2年前にも講演させて頂いてまして、その時も9月6日だったと言う不思議なご縁です。

頑張ってきます!



ではまた明日


br_banner_tsubame←不動産系ブログの最新更新情報です。
次のブログへはツバメ君をクリック!
 


Google AdSense